「───怖いんだ…」
「何が?」
「判らない……だけど、怖いんだ」
「サガはいろいろ気にしすぎなんだよ」
「───今日もああやって陽が落ちるだろう?…そして、明日がやってくるんだ」
「…ああ、」
「それが怖い」
「何故…」
「明日も、きちんと『私』として在れるか。その…自信がないんだ…」
「……サガ…」
「アイオロス、約束してくれ…。もし、私が、私でなくなったら…──その時は、殺せ」

アイオロスは横にいる彼を見た。
でも、彼がこちらを向く事はなかった。
夕陽を浴びる横顔しか、アイオロスには見えなかった。

そして、今日も陽が沈んでいく。
二人の目の前で。


014. 横顔